ドラマ「高嶺の花」無事撮影終了!

2018.10.1 14:22

日テレ水曜ドラマ「高嶺の花」、無事終了しました。監修およびドラマ中の作品制作を担当し、途中あまりのハードスケジュールに死にそうになりましたが、無事駆け抜けました。完走できて、今はほっとしています。

ドラマ中、小さいもの大きいもの含めて、174作品いけました。毎日毎日いけ続けました。これだけの短期間にあれだけいけたのは、自分の中でも初めてで、何かのしごきかと思いました(笑)

よく全部いけたのですか?と聞かれるのですが、はい、全部いけています。数が多いので、まさか、と思われるのは当然です。早朝から深夜まで、いけ続けました。人間、為せば成るものです。

ひとつひとつの作品をこちらで解説するのは無理なので、Instagramを見てもらえるとうれしいです。こちらです。https://instagram.com/mikaotani_flowers/

たくさんいけたのですが、ちらっとしか映らなかった、あるいはもはや映らなかったという作品もあります。ゆっくりご覧頂けるように、番組が公式ホームページのほうで、「生け花ギャラリー」を作ってくれました。全作品ではありませんが、私のお気に入り作品は掲載されているので、ぜひ!https://www.ntv.co.jp/takanenohana/gallery/

さて、とてもとても思い入れの強い作品も多く、3回ぐらいにわたり、少しご紹介できればと思います。今回は第1回目。

2話冒頭のもも様のデモ大作。梅若能楽堂で撮影しています。この能楽堂で大変だったこと。お能の舞台というのは、水を一滴も落としてはいけないのです。ゆえに、舞台の上にビニールをひき、さらにパンチカーペットをひいています。そんなことなら使用しなければいいのでは、と思われるでしょうが、その雰囲気の素晴らしさに監督がぜひに!ということで、使用させて頂いています。が、水なしでは花が弱るため、普段いけるより、数倍の神経を使いながら、決して水を落とさぬようにいけました。この大作、時間がなく、20分でいけました。自己最速記録です。

ももの鬱屈とした心を表すように、ドラマの初期の段階では、いけばなに鮮やかな色や明るい色を使って欲しくない、どこかモノトーンにも見える仕上がりにして欲しい、との監督の要望で、白と緑の色のみの構成となっています。ドウダンツツジ、スモークツリー、カシワバアジサイをいけています。ただ地味なだけでなく、人々を感動させるような豪華さを加えたいと思い、白塗りの枝をポイントにしました。

さて、次に思い入れが強いと言えば、龍一さんのいけばなショーです。

場所はお台場のヴィーナスフォート。あそこ、天井高16Mもあるのですよ。つまり、ある程度大きいものを作らないと、龍一さん自体がしょぼい感じになってしまう恐れがあるのです。そこで、5メートル丈の竹、50本以上使用した巨大インスタレーションを制作しました。

龍一の野心溢れるイメージを分かりやすく表現するため、竹を赤と黒に塗りました。半割りの竹の内側を不規則に赤と黒に塗って見た目の面白さを意識しています。

遠目で見ると分かりにくいですが、ひとつひとつが巨大です。 三田ハナモさんから2人、番組大道具から2人、私の生徒さん3人、力を合わせながら作りました。

会場は営業後の午後11時からのみ搬入や作業が可能な場所だったので、徹夜作業です。1日前に徹夜で作業して完成し、翌日はまた午後11時より徹夜で撮影。2徹作品ですね。

竹の真ん中をくり抜いて花器として使っています。遠目に見ても華やかなように、グロリオーサやオンシジュームをいけています。ところが、この花、ダンサーの1人が抜き取り、床に打ち付けてイベントが終了する、という振り付けで、壊されてはいけ、壊されてはいけ、の撮影を何度も繰り返しました。ドラマの撮影というのは、同じシーンを何度も何度も角度や画角を変えて撮影するのです。

第3話と第4話で、少しだけですが、この龍一のショーのシーンがあり、多分時間で1分にしかならないようなシーンですが、再び、お台場へ。またもや徹夜作業でした。少しデザインを変えています。分かるでしょうか? サイドの竹の櫓をやめ、中央に竹の帯を制作しました。

ダンサーの方も一晩中、踊り続けていました。ドラマというのは、1分撮るのに1時間以上かかると言われていて、膨大な時間をかけても、画面に出るのは一瞬です。もっとゆっくり見たいのにー、という生徒さんの声もあるので、下に動画のリンクを貼っておきます。私が撮影したショーの一部をぜひご鑑賞ください。

https://photos.app.goo.gl/p7uSYvnXQZkKzUSf7

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