TBS連ドラ「プロミスシンデレラ 」生け花監修

2021.11.20 13:08

TBSテレビ・火曜ドラマ「プロミスシンデレラ 」第6話より生け花監修をさせて頂きました。
二階堂ふみ さん主演の新感覚ラブコメディ。岩田剛典 さんと眞栄田郷敦 さんが出演。3人の恋のトライアングルドラマです。
いつものことですが、投稿が遅くなってしまいました。すいません!
旅館が舞台となっており、男性陣2人が生け花をいける設定。そしてその生け花が2人の性格や心情を如実に表しているという脚本でした。ただ綺麗なだけでなく、2人の状況を生け花で表現する、しかもドラマを見た人がそれをすぐ感じ取ってもらえるように表現する、というのが、いつもドラマのお仕事の難しくて、面白いところです。
岩田剛典さん演じる成吾がいけたという設定の生け花がこちらの作品。
こちらは準備中の写真。
撮影シーンがこちら。
監督からのお題は、「いけている姿が美しい花を」そして、成吾の性格を反映して「型にはまっていて、完璧に美しい生け花だけど、どこかつまらない花」でした。
さて、それとは真反対の生け花が、眞栄田郷敦さん演じる壱成の生け花でした。脚本のト書きに「どこか荒々しい、それでいて優美な出来栄え」とあります。生け花の先生がやってきて、「素晴らしい!」と絶賛する花。実は、壱成は生け花を少しかじっただけなのに、才能があり、型にはまらず伸び伸びと、いとも簡単に成吾を超える生け花をいけてしまう、というお話でした。これまで隠されていた壱成の魅了や才能が全開になる胸キュンシーン。とても大切なシーンでした。お花はこちら。なぜ、黄色いお花がいけられているかというと、監督の二階堂ふみさん演じるヒロインのイメージが黄色だったからです。
撮影シーンはこんな感じです。
郷敦さんがいけているかっこいい姿は、Paraviでご覧ください。郷敦さんは、忙しい中、私が生け花を完成させていく姿をずっと観察されていて、どんな風にいけたらカッコいいだろうと、ひとつひとつの動作を一緒に研究してみました。
番組の公式インスタグラムが 眞栄田郷敦 さんが生け花をいけている写真を公開してくれました。あと、郷敦さんに私が指導させて頂いている舞台裏写真も載っています。
どういった動作が画面で「才能あり」風にカッコよく見えるのか? 郷敦さんは、いい映像を作るために真剣に打ち合わせてくれました。郷敦さんの隣にいる黒い小さいのが私です。華道家だから着物?なんて言われることもあるのですが、現場に入るときはいつもこういう黒ずくめの格好です。自分が主役でなく、花が主役なので。
郷敦さんは、すごく背が高い!スラっとしてる! 画面で見てもカッコいいですが、本当はそれ以上にカッコいい!と思いました。よく本当に会ってみたらテレビよりももっとカッコいい人、というのがあると思うのですが、まさにそれです!
生け花はどういう動作でいけているのか、その参考資料のために、番組のADさんがビデオを撮影してくれました。
さて、ドラマでは、大女将役、三田佳子さんも生け花をいけます。 大女将なので、生け花はもうずっとお勉強されているという設定。
生け花界では、「着色花材」と呼ばれるもので、全部本物の植物を一度ドライにして、好きな色で着色したものです。ドライになった花材でも、色を塗ることで、もう一度生き返ります。というか生まれ変わります。それは、本来ある植物の形が美しいから、というか、ドライになったものって、どうしても色が枯れ色になってしまうので、そこだけ「もうダメ」な印象が強いからだと思います。全く新しい色をまとうことで、自然界にはない新しい美が生まれます。
金色は、モンステラの葉、三田佳子さんが手にもっていたピンクと紫の花火のような花材は、アリウム ・シュベルッティ。フワフワしたものは、山シダです。
大女将の役は、ちょっとポップでぶっ飛んでいるカリスマおばあちゃん! そんなおばあちゃんが劇中でいけるシーンがあって、悩みました。スタジオにしばらく飾っておきたい、というリクエストだったので、本当なら、生のお花をいけて3日に1回ぐらい手入れ(つまりは生け替える)をするところなのですが、それには予算がない。スタッフ側からのリクエストは、造花を使って、ということだったのですが、生け花をいけているシーンなのに、大女将が造花のワイヤーを切っている、というのは、私がどうしても違和感マックス。そこで、着色花材の登場となりました。
大女将のポップなイメージを演出したくて、色はど派手にしています。
「生け花って、花をいけるから生け花なんじゃないんですか」とスタッフ側から不安の声も頂いたのですが、これは、れっきとした生け花なので、大女将が張り切っていけていても、全く問題ないのですよ。着色花材だけいけても生け花ですし、花がなく葉だけでいけても生け花なんですよ。生け花って、ものすごくアートなのです。そのあたりが、1人でも多くの人に伝わればいいなあ、と願っています。
こちらは、三田佳子さんがいける花をどんな花にしたらいいのか、事前に監督さんたちとスタジオで打ち合わせ。そのときの花です。
大女将がポップで粋な性格なので、「こんな感じの花はどうですか?」と、ざっくりと家にある花材を持参していけてみました。
生け花って、打ち合わせ中、口で説明するのって、本当に難しいですよね。見て頂いたほうが早いというか、互いの思っていることをすり合わせしやすいです。なぜなら、「生け花って、良く分からないんですよ」とか「生け花って、正直あんまり見たことがなくて」と言われることが多くて。そういう言葉を聞くたびに、もっと頑張らなくちゃなあ、と心から思います。
「生け花だから、床の間ですよね」と言われることも多いのですが、いえいえ、生け花は「床の間」に限定されていないのです。歴史あるものながら、今の時代を生きる花なので、本棚だって、ショーウインドウだって、どこにだっていけられるものです。だから、この大女将もお部屋の真ん中の飾りテーブルでいけているんですよ。まだまだ固定概念みたいなものが強いので、いい意味でそんなイメージを覆せる素敵な花をみなさんにお届けできたらと思います。
三田佳子さんがいけるシーンがこちら。
次は下の花。ドラマの中でで朝食を食べるシーンがあったりすると、この花が写っていると思います。ストーリーに引き込まれている時に急に自分の花が写ると、一人画面のこちら側で「おおっ」と驚いて緊張します。仕事モードになるというか。9話は朝食を食べるシーンが多かったので、「おおっ」タイミングが頻発しました。一番うれしかったのは、早梅役の二階堂ふみ さんとこの白い花が画面でツーショットになったとき。興奮しました!(笑)
最後の写真は、片岡家の執事 吉寅こと高橋克実 さんと記念撮影。主人が何度もお仕事でご一緒させて頂いてお世話になっている克実さんのところに、撮影後ご挨拶に行きました。主人はドラマの監督をやっていて、たくさんの芸能人の方々にお会いするので、よく「実際に会ってみたら、想像以上にかっこいい人って誰?」と聞くと必ず帰ってくる返事が「高橋克実さん」なので、ちょっとワクワクしながらご挨拶に行きました。
やっぱり、とてもカッコ良かったです! かっこいいキャラではないキャラで画面に登場することの多い克実さんですが、とてもカッコいい!!! やっぱり役者さんって、一般人にはない「色気」のようなものがすごいあるんだなあ、としみじみ感じました。「えー、びっくりしたよ! 奥さんなの!」と驚いてもらって、ちょっとうれしい。「奥さんが、芸術家なんて、知らなかったよ。あの作品、すごいじゃない!アートじゃない!」と言われて、「そんなそんな。。。」と大照れ。「顔、夫婦で似てるね」と言われて、うーん、複雑(笑) とっても優しい克実さんでした。
さて、ブログには容量の関係上、貼り付ける写真に限界があるので、例によって、インスタグラムの投稿を貼り付けておきます。下のインスタ の記事から、しばらく「プロミスシンデレラ 」の生け花関係の投稿をずっと行っていますので、お時間のある方は、ぜひご覧くださいませ。それぞれの記事の写真を左にスライドさせると、次々にたくさんの写真が見られます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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